プロジェクトスコープとは、プロジェクトが達成するべき目標、納品物、制約条件、前提条件、そしてそれに含まれる作業の全体を指します。プロジェクトスコープの明確化は、プロジェクトの成功に不可欠です。ここでは、プロジェクトスコープの定義と管理に関する基本的なポイントをいくつか紹介します。

プロジェクトスコープとは?

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プロジェクトスコープとは、プロジェクトの目的や成果物、行うべき作業の範囲を定義したものです。プロジェクトを成功させるためには、明確なスコープ定義が重要です。

プロジェクトスコープマネジメントとは?

プロジェクトスコープマネジメントとは、プロジェクトの目的やゴール、成果物、必要な作業を特定し、管理・コントロールするプロセスです。スコープの定義、スコープ管理、スコープ変更管理などが含まれます。 

つまり、プロジェクトスコープマネジメントは、プロジェクトの目標と成果物、作業範囲を明確にし、変更にも柔軟に対応できるようにするための重要なプロセスといえます。

プロジェクトスコープマネジメントの役割

プロジェクトスコープマネジメントの役割には以下のような役割があります。

1.プロジェクトの目的や成果物、作業の範囲を明確に定義する

プロジェクトのの目的は何か、何を成果物として作るのかを具体的に定義することで、作業範囲として何をするのか、何はしないのかを明確にすることができます。これにより、プロジェクトの目標と成果物が明確になります。

2.プロジェクトに含めるべき/含めないべき要素を特定する

プロジェクトに含めるべき作業やリソース、機能などを特定し、一方で、一方で、プロジェクトの範疇外となる要素も明確にします。これにより、プロジェクトの境界が明確になります。

3.プロジェクト遂行中のスコープ変更を管理・コントロールする

プロジェクト中に発生するスコープ変更要求を適切に管理し、スコープ変更が必要な場合の承認プロセスを定めます。

そうすることで、スコープ変更が及ぼす影響を分析し、対応策を検討することができます。これにより、プロジェクトがスコープから逸脱することを防ぐことができます。

プロジェクトスコープマネジメントの注意点

プロジェクトスコープマネジメントの注意点を簡潔にまとめると以下のようになります。

1. スコープの定義が曖昧だと、要求事項の誤解や範囲拡大につながる

   – プロジェクトの目的、成果物、作業範囲を明確に定義する必要がある

   – これがないと、利害関係者の間で認識のずれが生じる

2. 利害関係者との合意形成が重要

   – プロジェクトスコープは主要な利害関係者と合意のもとで定義する必要がある

   – 合意が得られないと、利害関係者間で認識のズレが生じる

3. スコープ変更管理が適切に行われないと、プロジェクトが逸脱する

   – プロジェクト中にスコープ変更が必要になる可能性がある

   – スコープ変更管理プロセスが明確でないと、プロジェクトの目的から逸脱する危険性がある

つまり、プロジェクトスコープを明確に定義し、利害関係者の合意を得ること、そしてスコープ変更を適切に管理することが、プロジェクトスコープマネジメントにおける重要な注意点といえます。これらに留意することで、プロジェクトの成功につなげることができます。

PMBOKによるスコープの種類

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PMBOKは、米国プロジェクト管理協会(PMI)が発行するプロジェクトマネジメントに関する包括的な知識体系ガイドラインです。このガイドラインは、プロジェクトマネジメントの標準的な手法やプロセスを体系化したものです。

PMBOKによるスコープの種類には、以下の2つがあります。

成果物スコープ

プロジェクトの最終的な成果物や提供するサービスを定義したものです。

例えば、新規システム開発プロジェクトであれば、完成したシステムの機能や性能などが成果物スコープに含まれます。

作業スコープ

プロジェクトを遂行するために必要な作業を定義したものです。

例えば、システム開発プロジェクトの作業スコープには、要件定義、設計、開発、テスト、運用移行などの作業が含まれます。

プロジェクトスコープの具体例

プロジェクトスコープの具体例は次のようなものが考えられます。

概要詳細
1.製品またはサービス   – 製品の機能、特徴、仕様
   – サービスの提供内容、品質基準
   – 製造/デリバリープロセス
2.プロジェクトのアウトプット– 提供するドキュメント、レポート、図面など
   – 開発するソフトウェア、ハードウェアなど
3.プロジェクトの制限事項   – 予算、スケジュール、リソース
   – 品質基準、業界標準、法的要件
4. **プロジェクトの範囲外**– 明確に含まれないもの
   – プロジェクトには含めないが、関連する作業
5. **プロジェクトの前提条件と制約**– 既存のシステム、インフラ、技術
   – 利用可能なリソース、スキル、専門知識
6. **利害関係者と責任分担** – 顧客、スポンサー、プロジェクトチーム
   – 各者の役割と責任
プロジェクトスコープの具体例

これらの具体例を定義し、文書化することで、プロジェクトの目的、範囲、期待されるアウトプットが明確になり、関係者間での共通理解が得られます。これにより、プロジェクトの成功に向けた適切な計画立案と実行が可能になります。

プロジェクトスコープ記述書とは?

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プロジェクトスコープ記述書とは、プロジェクトの範囲と主要なデリバラブルを定義した文書のことです。具体的には以下のような内容が含まれます。

1. プロジェクト概要

   – プロジェクトの背景と目的

   – プロジェクトの製品やサービス、主要機能

2. プロジェクトの範囲

   – 含まれるものと含まれないもの

   – プロジェクトの境界線

3. 主要なデリバラブル

   – 提供される製品、サービス、ドキュメントなど

   – それぞれの説明と受け入れ基準

4. プロジェクトの制約条件

   – 予算、スケジュール、リソースなどの制限

   – 品質要件、法的要件など

5. 前提条件と依存関係

   – プロジェクトの実行に必要な前提条件

   – 他のシステムやプロジェクトとの依存関係

6. 利害関係者の役割と責任

   – 主要な利害関係者とその役割

   – 各利害関係者の責任と権限

このようにプロジェクトスコープ記述書には、プロジェクトの全体像が記載されており、関係者間での共通理解を醸成し、プロジェクトの成功につなげるための重要な文書となります。

プロジェクトスコープ記述書の必要性

プロジェクトスコープ記述書は、プロジェクトマネジメントにおいて非常に重要な役割を果たします。 以下は、プロジェクトスコープ記述書の必要性についてまとめています:

  1. プロジェクトの目的やビジョンを明確にする: プロジェクトスコープ記述書には、プロジェクトの目的や期待される成果物が詳細に記載されています。これにより、プロジェクトの方向性を関係者全員で共有することができます。
  2. スコープクリープを防ぐ: プロジェクトの範囲が明確に定義されていることで、不要な作業や要求の増加を抑制することができます。これにより、プロジェクトの予算や工期の管理を適切に行うことができます。 
  3. コミュニケーション改善: プロジェクトスコープ記述書により、プロジェクトの関係者全員がプロジェクトの範囲を共通認識できるようになります。これにより、コミュニケーションの改善やミスの防止につながります。

プロジェクトスコープのまとめ

プロジェクトスコープとは、プロジェクトの目標や成果物、作業範囲を明確にするものです。プロジェクトスコープマネジメントは、これらを定義し、変更にも柔軟に対応できるようにするための重要なプロセスです。スコープを明確に定義し、利害関係者の合意を得ること、そしてスコープ変更を適切に管理することが、プロジェクトの成功につながります。プロジェクトスコープ記述書はこのプロセスにおける重要な文書で、プロジェクトの目的やビジョンの明確化、スコープクリープの防止、関係者間のコミュニケーション改善に役立ちます。プロジェクトの成功に向けて、プロジェクトスコープの適切な管理が不可欠といえるでしょう。

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コンサルアサイン編集部

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